会の概要・開催目的
言語を取り巻く複雑な社会的諸問題を取り扱う応用言語学において、近年では質的研究に対するますますの関心が寄せられいます。「質的研究」とひとくちにいっても一枚岩ではなく、さまざまなアプローチを内包しており、それぞれが数多くの哲学的・解釈的枠組みに下支えされています。
大学院等の高等教育機関では研究手法などいわば “枝葉” の涵養に資することはあれど、応用言語学の文脈において、(質的)研究の理論的・方法論的な根となるいわば「メタセオリー」に関する体系的に学ぶ機会は限られており、それら議論に従事する機会も概して多くありません。
このような背景から、本読書会ではPrasad (2017) を対象文献とし、一般に敷居の高い (i.e., 後回しにしがちな) 哲学的前提・解釈的枠組みに対する理解を深め合っていくことを目指します。他の参加者と一緒に文献を読みながら議論を交わす「場」を設けることで、これら素地を養う心的な敷居を下げつつ、応用言語学コミュニティの交流促進を狙います。
応用言語学に関心のある方でしたらどなたでも参加を歓迎いたします。
詳しくは下記の要項をご覧ください。
資料
主要文献
Prasad, P. (2017). Crafting qualitative research: Beyond positivist traditions (2nd ed.). Routledge.
補足資料
プラサド, プシュカラ. (2018). 『質的研究のための理論入門―ポスト実証主義の諸系譜』(箕浦康子, Trans.) ナカニシヤ出版. [主要文献の初版 (Prasad, 2005) が邦訳されたものです。2018年版とは内容が異なる可能性があります。]
ミーティングスケジュール
日時 | 検討対象とアジェンダ | 備考 |
---|---|---|
Jan 8 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapter 1, 📚Qualitative research as craft (山本大) 🗣 Intro, Rule setting, Presentation schedule I | |
Jan 22 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapters 2 & 3 📚Symbolic interactionism (日浅彩子) 📚Hermeneutics (山本大) | |
Feb 5 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapters 5 & 6 📚Ethnomethodology (早﨑綾) 📚Ethnography (清田顕子) | |
Feb 19 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapter 7 📚Semiotics and Structuralism (松岡悠子) 🗣 Presentation schedule II | |
Mar 5 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapter 8 📚Historic Materialism (寺沢拓敬) | |
Mar 26 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapters 10 & 11 📚Feminism and Gender Studies (清田顕子) 📚Structuration and Praxeology (早﨑綾) | AAAL2022のため 一週ずらします |
Apr 9 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapters 12 & 13 📚Postmodernism (日浅彩子) 📚Poststructuralism (山本大) | |
Apr 23 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapters 9 & 14 📚Critical Theory (寺沢拓敬) 📚Postcolonialism (松岡悠子) | |
May 7 9:00–10:30 | Prasad (2017) Chapter 15 📚Conclusion (皆さんで) 🙌We are done!! Yay!!!! |
進行方法
(tentative)
ミーティング前
1. “リーディング” (当日まで)
上記スケジュールに記載された文献を、ミーティング当日までに読んでください。
2. “アノテーション” (前日17時まで)
Drive上で共有したファイル上に、コメント機能を使用し、対象文献を読んで抱いた質問・コメント・考え・他の人への回答・その他を、自由にアノテーション形式で書き残してください。(Written think-aloudのようなものなので、完璧でなくても構いません。)
3. “発表準備” (発表者のみ, 当日まで)
発表者は文献の記述やアノテーションの内容を参考に、簡潔に発表とディスカッション進行の準備をお願いします。(進行方法は後述します)
ミーティング当日
1. “アナウンス”
「こんな会/機会/出版物/その他があります! 」「ゆるぼ」など
2. “発表とディスカッション”
各文献に関して、発表者が発表と自由なディスカッションを行います。
-目安としてひとりあたりの持ち時間は30–40分程度
-発表者ははじめに文献の概要を簡潔に報告し(10-15分程度)、その後自由にディスカッションをリードする (20-30分程度)。
-PPTスライド等の使用は自由。
-スライドを使用する場合、内容に関わるスライドは最高10枚程度に収めてください。
3. “次回へ向けて”
読む文献・発表者・その他を確認し解散。
お疲れ様でした!!
これら進行計画は暫定的なものなので、参加者の皆様のフィードバックや提案などに応じて柔軟に変化します。
登録・参加
こちらから登録してください。
登録が完了し次第、登録EメールにZoomリンクが自動で送信されます。Zoom-bombingなどの諸問題を避けるため、SNSなどグループ外へのZoomリンクの公開は禁止いたします。
全ミーティングに同一のリンクを使用します。
その他問い合わせ
ご質問などのお問い合わせは以下フォームより幹事・山本までご連絡ください 。
上部メニューバー中の “CONTACT” フォームをご使用ください。